ゆっくり解説:CoTでAIが算数も常識もバッチリ解答!?推論ステップを書くだけの革命
こんにちは!ゆずかきです。
今回は、「Chain of Thought(CoT)」という技法を、ゆっくり霊夢(以下、霊夢)&ゆっくり魔理沙(以下、魔理沙)との対話形式で解説していきます。
「推論過程を自然言語で書き出すだけでAIが賢くなる?」と聞くと不思議ですが、実はコレ、Google Researchの論文でも証明されたホットなテクニックなんです。
それでは…
ゆっくりしていってね!
はじめに
霊夢「こんにちは!今日はChain of Thought(CoT)という、AIに「途中の思考ステップ」を書き下させる面白い手法を紹介していくわよ!」
魔理沙「手順を自然言語で書かせるってやつか。何がそんなに凄いんだ?」
霊夢「たとえば、算数とか論理推論が必要な問題を解くとき、『途中式』をしっかり書かせるだけで正解率が大幅に上がる、っていう研究報告があるの。GPT-3やPaLMみたいな巨大モデルでも、これで劇的に性能が上がったんだって!」
§CoTとは?
霊夢「Chain of Thought(CoT)は、モデルに途中経過の推論を自然言語で出力させる手法を指すわ。単に最終答えを出すのではなく、『こう考えたから、この答えになる』という思考を丸ごと書き出すわけ。」
魔理沙「それって人間が途中式を書くみたいなものか。分かりやすそうだな!」
霊夢「そうそう。実際、それでモデルの精度が上がるし、推論プロセスをチェックしやすいメリットもあるの。」
§論文の背景:なぜCoTが注目?
霊夢「大規模言語モデルは確かに強いけど、多段ステップの推論(算数や常識QAなど)だと途端に正確さが落ちる場合がある。そこでFew-ShotでChain-of-Thoughtを明示して見せてあげると、モデルが『あ、こうやって段階を踏むのね』と学んで性能UPするのよ。」
魔理沙「へぇ。小さいモデル(10B未満)だとあまり効果なくて、100B超の巨大モデルから突然効果が出る、みたいな話もあったな。」
霊夢「そう!論文ではこれをEmergent Abilityって呼んでるわ。」
§従来手法との比較:何が新しい?
- Fine-Tuningが不要:すごい量のラベル付きデータがなくても、数例のプロンプトだけで性能UP。
- 自然言語の説明がそのまま推論過程:数式じゃなくてもOK、だから算数以外に常識QAやシンボル操作にも使える。
- 途中経過を読める:モデルが何を考えているのか、ある程度チェックしやすい。
魔理沙「なるほど、手軽かつ汎用的なんだな。」
霊夢「ただし、人間の思考をそのまま再現してるわけじゃなく、正しいステップが必ずしも書けるとは限らないって注意点もあるわ。」
§CoTのプロンプト設計
霊夢「実際どうやって『途中経過』を書かせるかというと、こんなイメージね。」
Q: 次の数式を解いてください...
A: ここでまず○○を計算して~...
よって答えはXX。
魔理沙「なるほど、最終答えの前に“こう計算した”みたいなのを自然文で書くわけか。
あと、少数のサンプル例をプロンプトに入れるだけでできるならラクそう。」
霊夢「そうね。論文ではequation onlyやreasoning after answerなどいろいろ比較されてるけど、自然言語でステップを丁寧に書くのが最強だったみたい。」
§主要な実験結果
- 算数系タスク(GSM8Kなど)
- CoTなし→20%台、CoTあり→50~60%台、と大幅向上例が多数。
- 常識推論(CSQA, StrategyQAなど)
- PaLM 540B+CoTでSOTAに迫る成績。
- シンボリック推論(文字列操作、コイントスなど)
- CoTのおかげで複雑な反転操作や条件分岐も正答率UP。
魔理沙「算数だけじゃないのか。結構幅広いな!」
§さらに広がる応用範囲
- 要約や文章分割:途中で構造化したステップを挟むことで精度向上が期待できる?
- マルチモーダル:将来的に画像の説明や音声認識との組み合わせも検討されるかも。
- ゼロショット要約:文脈をステップで押さえると、より自然にまとめられる可能性。
霊夢「要は人間がやる“途中メモ”みたいのをモデルにやらせるわけ。『ステップを踏む→答えが出る』という学習は案外パワフルみたい。」
魔理沙「確かに、頭の中の思考を文字で書けば混乱せずに済む、みたいな感じか。」
§課題と今後の展望
- 正しい論理を書く保証はない:途中で誤魔化しても、答えが偶然合う場合がある。
- 大規模モデルでのみ顕著:小型モデルには逆効果かもしれない。
- 長いCoTは混乱を招くリスク:自動生成CoTには誤りが入りやすい。
魔理沙「まあ、便利だけど常に完璧ってわけじゃないんだな。どこかでチェック必要かも。」
霊夢「そうね。“嘘の推論過程を上手く作る”なんてこともあるし。」
§まとめ
- CoT=途中推論ステップを言語で書かせるだけで、複雑タスクに強くなる
- 特にモデル規模が大きいほど効果的:Emergent Ability
- 算数、常識推論、シンボル操作など幅広く性能UP
- 正答の保証はなく、誤答や誤論理も出るが、使い方次第では非常に強力
魔理沙「結局、『手軽にモデルの推論力を高められる』のが魅力って感じか!」
霊夢「そう!もし興味あれば論文やデモを見てみると面白いはず。“Chain-of-Thought Prompting”で検索してみてね!」
魔理沙「以上、ゆっくり解説でした!CoTは意外と汎用性があるし、試してみる価値ありそうだな。」
霊夢「応援するわよ!じゃあ、また次の記事で会いましょう。読んでくれてありがとう!」
魔理沙「ありがとな!」
§この記事で覚えておきたいポイント
- CoT=AIに途中思考を“文章”で書かせる手法
- 大規模モデルなら算数や常識推論で威力倍増
- 途中経過が読めるからデバッグしやすいが、誤り混入のリスクも
- 手軽に試したければ“Chain-of-Thought Prompting”で論文・デモをチェック!
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